日本郵便だけではない!不正点呼発覚で事業停止?内部通報の落とし穴

日本郵便で何があったか

ニュースをご覧の方はご存知かと思いますが、日本郵便をはじめ、ヤマト運輸や佐川急便を含め、荷物をトラック等で運ぶ仕事は「一般貨物自動車運送事業」と呼ばれ、国土交通省の許可が必要になります。公道を使ってお金を稼ぐと言うのもあり、トラックのドライバーはバスやタクシーの運転手と同じく、「点呼」と言うものを出発前に受けなければなりません。運行管理者と呼ばれる国家資格者がドライバーに対して、健康状態を尋ねたり、アルコールチェッカーを用いて、飲酒していないかを確認します。点呼をすること、アルコール検査をすることは法令で義務付けられており、必ずしなければなりません。国家資格である運行管理者でなくとも、ドライバーであれば誰でも知っている常識と言っても過言ではありません。

実は私、大手物流企業の営業所と本社、どちらにもいた経験があるのですが、点呼をしないなんてあり得ないです。一般企業の営業車で、無免許(免許証を忘れたのではなく、そもそも免許がない)の営業マンに運転させるくらいあり得ないことです。もっとあり得ないかもしれません。

具体的に日本郵便が何をしたか、点呼をしていないのに点呼をしたように偽造したり、点呼で確認しなければいけないこと(例えば健康状態やアルコール検査)をしていなかったと様々な報道機関が報じています。

それが1つの郵便局ならまだしも、全国各地の郵便局で不正が行われていたため、国交省が一般貨物自動車運送事業の許可を取り消すという前代未聞の異例事態となりました。

社内に内部通報窓口がなかったのか

最近よく耳にするようになった「内部通報窓口」ですが、従業員が300名を超えると設置が義務付けられています。300名以下でも内部通報制度の整備に努めることが求められています。

日本郵便の従業員数は当然に300名を超えるため、内部通報窓口が存在します。

しかし、日本郵便のHPから内部通報制度の取り組みを見ると、2024年度の件数は約2,900件。ここに不正点呼の情報があったかは不明ですが、これだけの量を相談されながら、不正点呼に関して事前に改善することができなかったのです。いずれにせよ内部通報窓口が全く活かされていなかったことが明るみになりました。

複合的な要因があり、この理由1つではないことを先に申しておきますが、社員にとって社内の相談窓口って非常に相談し難いのです。

内部通報制度は通報者の秘密を守り、通報したことを理由とした不利益な取扱い(降格降給等)を禁じています。しかし、会社の味方をされるのではないかと、本音を引き出すことが難しいのが内部通報窓口の現状です。

社員が何かを告発したくても、社内のコンプライアンスホットラインや、社外の弁護士事務所が窓口になっていると、なかなか声を上げられない気持ちをぜひ分かっていただきたいと思います。

内部通報窓口を設置されているのであれば、従業員の「言いだし難い」気持ちに寄り添い、相談しやすい環境作りがまず第一に大切です。設置されていないのであれば、ぜひ設置を検討してみてはいかがでしょうか。

最後に余談ですが、政府が公表しているデータで内部通報制度は、企業の内部監査よりも不正を見つけられやすいとのことです。

内部通報制度のアウトソーシングなら

中小企業の経営者・人事部の皆さまで内製化するのであれば、消費者庁の「はじめての公益通報者保護法」が分かりやすく、設置の重要性を理解できます。

「内部通報窓口の設置が大切と言うことがよく分かった。分かったけど、管理部門も手いっぱいでリソースが割けない…」

そんな中小企業の経営者・人事部の皆さま。ぜひ内部通報窓口のアウトソーシングをご検討ください。従業員300名以下においても、不正の従業員満足度向上のため、内部通報窓口の設置する企業が大幅に増えております。詳しくは「労基相談の窓口」へご連絡ください!

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