「たった数分の残業だから…」
と、思って泣き寝入りしていませんか。
労働基準法では、残業時間を切り捨てることを禁止しています。今回の厚労省リーフレットはこちら。
残業時間の切り捨てが禁じられている、つまり残業代の切り捨ても労働基準法違反となります。言い換えると18時1分に打刻したにも関わらず、18時00分に退勤したことになって、1分の残業がなくなっていることは、あなたの1分が無碍にされているだけではなく、払わなければならない残業代を、会社は故意に払っていないのです。
もしあなたの会社で、15分以下であったり、30分未満の残業時間を切り捨てられていたら…労基へGO!しましょう。労働基準法で守られている労働者として、そして弱い立場になりやすいサラリーマンとして、これが違法と知っていることは決して損ではないはずです!
まずは自分の勤怠をチェックしましょう
皆さんは自分の労働時間を把握していますか。把握していない方は、これを機にぜひ前日の退勤時間を確認する癖を付けましょう。大企業はもちろん、中小企業もタイムカードやICカード、パソコンによる記録が一般的となってきているので、確認は容易かもしれません。(ちなみに会社側はやむを得ない事情がある場合を除き、基本はタイムカードのような客観的な記録が残るようにしなければなりません)むしろ、容易に確認できない職場は要注意かもしれません。
さて、退勤時間は1分単位で記録されていますでしょうか。ここで、キリの良い数字になっていたら(例えば18時8分に打刻したのに18時00分と表示)アウトですが、実際に私が目撃した例は、ここでは18時8分になっているにも関わらず、残業代計算上は18時00分となっていたケースです。ですので、キリの良い数字ではない場合も、少々面倒ではありますが、1ヶ月分の残業時間を計算することをお勧めしています。また、給与明細と残業時間・残業代を照らし合わせることも良いでしょう。
実は合法!30分未満の切り捨て
1日あたりの残業時間を1分でも切り捨てることは立派な違法行為でありますが、実は1ヶ月における1時間未満の端数は「30分未満は切り捨てて0に、それ以上を1時間とする」ことは違法ではありません。残念な例ですが、仮に毎日1日1分残業したとしましょう。出勤日が22日とすると、1ヶ月の残業時間が22分となります。この場合、切り捨てが認められ1ヶ月の残業時間が0となってしまいます。
ただし、これを採用する場合、30分以上は1時間の残業としなければなりません。仮に毎日2分残業した場合は44分となり、切り上げて1時間の残業代を支払わなければなりません。これは、常に労働者の不利となるものではなく、かつ事務簡便を目的としたもので、認められています。1ヶ月でまとめた時、30分未満の切り捨てだけして、切り上げはしない、このような会社側のみ都合が良いパターンは悪質です。切り捨てと切り上げはセットでしなければなりません。
繰り返しになりますが1日あたりの場合、例えば30分を切り上げて1時間にすることは労働者の不利にはならないので合法、一方で30分未満を切り捨てて0や15分とすることは違法です。
困っていることがあったら
皆さんの会社では1分単位で残業が出ていますでしょうか。大企業でも残業時間を切り捨てられていることがあります。中小企業には労務のプロかつ国家資格である社会保険労務士が、顧問を務めていることがあります。しかしながら、そのような会社でも残業時間を切り捨てている企業に出会ったことがあります。意外と皆さん自身が当てはまっているかもしれません。1日たった数分…決して侮ってはいけません。
例えば毎日10分残業代が増えるとしたら、月収・時給や休日数で変わりますが、1ヶ月5,000~1万円、年間6~12万円(多い人はもっと)も変わってきます。物価高が続く中、少額と雖も大きいですよね!
ぜひ労基や直接会社に進言してほしい方がいらっしゃいましたら、お気軽に「労基相談の窓口」へご連絡ください!最初の対応は全て代表が行っておりますので、ご安心くださいませ。秘密は厳守しますし、あなたの味方になります。
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